「小さく始める」という助言はよく聞きますが、どこまで小さくすればよいかは書かれていないことが多いです。刻み方の基準がないと、結局大きいまま始めて止まります。
刻む基準は「考えずにできるか」
小ささの基準は時間でも量でもなく、判断が要るかどうかで決めます。判断が要る時点で、まだ大きいと考えます。
「勉強する」は、何をどこからやるかを決める必要があります。「教材を開く」は決める必要がありません。「片付ける」は範囲を決める必要があります。「目についた物を1つ戻す」は要りません。
考えずにできる大きさまで刻む。これが最初の基準です。
3段階で用意しておく
日によって使える力は変わるので、同じ目標に対して3段階を用意しておくと途切れません。
- 満タンの日:30分やる
- ふつうの日:5分やる
- 何もできない日:30秒やる
大事なのは、いちばん下の段が「ゼロではない」ことです。30秒でもやれば、記録は途切れません。3段階あると、その日の自分に合う段を選ぶだけになり、やるかやらないかの二択にならなくなります。
増やすタイミングは「余った」と感じた日の翌日以降
小さく始めると、慣れてきて物足りなくなります。ここで一気に増やすと元に戻ります。
目安として、「余った」と感じる日が続いたときに、いちばん下の段は変えずに、上の段だけを少し増やします。下の段を上げてしまうと、調子の悪い日に届かなくなり、途切れる原因になります。守るのは下の段です。
記録は「やったか」だけを残す
記録が細かいほど続かなくなります。何分やったか、どこまで進んだかを毎回書くのは、それ自体が判断であり作業です。
残すのは「やったか」だけで足りません。むしろ、それだけにしておきます。日付にしるしが並んでいく形が、続けている感覚を一番強く支えます。中身の評価は、後から振り返るときにまとめてやれば十分です。
途切れた日は数えない
3日続いて4日目に途切れたとき、「また三日坊主だった」と数えると、そこで終わります。数えるのは、やった日の総数です。
3日やって1日空いて、また2日やったなら、やった日は5日です。連続記録が切れても、積み上がった回数は減りません。減らない数字を見ているほうが、再開しやすくなります。
最初の1週間でやること
1週間だけ、いちばん下の段だけをやってみます。30秒で終わらせて、それ以上やらない。物足りない状態で終えるのがねらいです。
物足りなさが残ると、翌日の入口が軽くなります。満足するまでやった日の翌日は、逆に重くなります。1週間で7回できたら、その時点で習慣の骨組みはできています。
刻めない作業は、刻む前の作業がある
どうしても小さく刻めない作業に当たることがあります。その場合、たいてい手前に別の作業が隠れています。
「確定申告をする」は刻めません。刻めないのは、必要な書類や手順が決まっていないからです。この場合の最初の一歩は「何が必要かを1つ調べる」になります。作業ではなく、作業の輪郭を作る作業です。
刻めないと感じたら、それは「まだやることが決まっていない」というサインです。決める作業を先に、しかも小さく刻んで置きます。
場所と順番を固定する
小さくしても、毎回「いつやるか」を決めていると、そこで止まります。時間か場所のどちらかを固定します。
「朝、コーヒーを淹れたら教材を開く」「机に座ったらファイルを開く」。すでに毎日やっている行動の直後に置くと、思い出す必要がなくなります。新しい時間帯を作るより、既存の流れに挟むほうが定着します。
うまくいかない日を設計に含める
予定どおりに動けない日は必ず来ます。来ることを前提に、いちばん下の段を用意しておくのが3段階の意味です。
用意していないと、動けない日が「計画の失敗」になります。用意してあれば、同じ日が「下の段を使った日」になります。同じ出来事でも、設計に含まれているかどうかで扱いが変わります。