毎日同じ量のやる気が出る人はいません。体調、睡眠、天気、前日の出来事で変わります。変わるものを前提に計画を立てると、計画のほうが崩れます。

意志は資源ではなく、天気に近い

「今日はやる気がある」「今日はない」という波は、努力で平らにはなりません。ならば、波があっても動く形にしておくほうが現実的です。

具体的には、判断の回数を減らします。動けない日に一番重いのは作業そのものではなく、「何をするか決めること」です。決める作業が残っていると、そこで止まります。

前日の自分に決めてもらう

判断を減らす一番簡単な方法は、判断の時期をずらすことです。調子のよい時間帯に、調子の悪い時間帯の分を決めておきます。

  • 夜のうちに、翌朝いちばんに開くファイルを開いた状態にしておく
  • 運動着を、翌朝目に入る場所に出しておく
  • 明日の最初の1行だけをメモに書いておく

朝の自分は決めません。書いてあることをやるだけです。これだけで開始の重さがかなり変わります。

動作を場所に結びつける

「机に座ったら、まずファイルを開く」のように、動作を場所や時間に結びつけておくと、判断が要らなくなります。

順番が決まっていると、思い出す必要がありません。思い出す作業が消えるだけで、開始までの時間は短くなります。逆に、その日の気分で順番を決めていると、毎回同じ量の判断が発生します。

ハードルは低いほうに合わせる

仕組みを作るとき、調子のよい日を基準にすると失敗します。基準は、いちばん調子の悪い日に合わせます。

「毎日30分」ではなく「毎日30秒」。30秒なら、熱があっても、残業した夜でもできます。できる日が増えるほど、仕組みは仕組みとして機能します。守れない基準は、守れなかった記録だけを増やします。

失敗の記録より、再開の手順を決める

続けていれば必ず途切れます。そのときに効くのは反省ではなく、再開の手順です。

「途切れたら、次の日に30秒だけやる」と先に決めておきます。決めておかないと、途切れた翌日に「どこから戻すか」を考えることになり、その判断がまた重くなります。再開の条件を先に決めておくのが、続く仕組みの最後の部品です。

仕組みが働いているかの見分け方

うまく働いている仕組みは、やる気の話が出てきません。「気合いを入れて」「今日は頑張って」という言葉が必要な状態は、まだ仕組みが足りないということです。

判断が減っているか。基準が調子の悪い日に合っているか。再開の手順が決まっているか。この3つを確かめると、次に足すべき部品が見えてきます。

記録も仕組みの一部にする

続けているかどうかを覚えておくのも、頭の仕事です。ここも外に出します。

やったら印をつけるだけの記録を用意します。何をやったか、何分やったかは書きません。書く量が増えるほど、記録そのものが続かなくなります。印が並んでいる状態が見えることに意味があります。

記録があると、調子の悪い日に「今日は例外だ」と判断しやすくなります。過去に何十回もやっている事実が見えていれば、1日空いたことは例外として処理できます。記録がないと、その日の感覚だけで「自分は続かない」と結論してしまいます。

環境を先に整えるほうが確実

意志で頑張るより、目に入る場所を変えるほうが結果が安定します。

やりたいことは目に入る場所に、やめたいことは手数のかかる場所に置きます。読みたい本を机に出しておく、見すぎているアプリをホーム画面から外す。どちらも一度やれば効き続けます。

毎日の意志で解決しようとすると、毎日コストがかかります。環境を変える手間は一度だけです。同じ結果を得るなら、一度で済むほうを選びます。

仕組みは少しずつ足す

最初から完璧な仕組みを作ろうとすると、作ること自体が重い作業になります。部品は1つずつ足します。

まずは「前日に1行決めておく」だけをやってみて、それが定着してから次を足します。仕組みづくりにも、この記事で書いた「小さく始める」がそのまま当てはまります。